昨今、野外音楽フェスの観客動員数が147万人を超え、150億円市場とまで言われている。「フェス・バブル」は峠を越えたという意見もあるが、それでもいまだ巨大産業であることに変わりはない。それと比べれば、KAIKOOの規模は豆粒のようなものだ。DJ BAKUと〈POPGROUP〉は約5年半の間に17回という驚異的なペースでKAIKOOを開催し、じょじょに文化圏を広げながら、当初数百人だったクラウドを1万人を超えるオーディエンスまでに膨れ上がらせている。ただ、ここで言いたいのは人が増えればいいという数字の話ではないし、ましてやビッグになればいいという上昇志向の話でもない。彼らが素晴らしいのは、経済力と文化的な影響力が必ずしも直結しないということを溢れんばかりの情熱で証明してみせようとしていることだ。
KAIKOO HUMAN BEINGより抜粋

BAKU : 1日目はDJで出演したんだけど、DJブースに上がったときに目に飛び込んできた海や、遠くに光る観覧車、夜空、多くのオーディエンスの人たちの姿にめちゃくちゃ高ぶった。晴海のKAIKOOのステージでは出演者自身がかなりヒートアップしていたと思う。そんなシチュエーションの場所なんだね。
高松優 : 僕は今回から関わらせてもらったんですけど、〈POPGROUP〉と僕らのやり方を混ぜて上手くできたと思う。いくつかのチームが集まることで、運営、ブッキングにおいて偏らずにできたのではないかな?そうやって他の人たちを受け入れることができるから、KAIKOOは面白いんだと思う
BAKU : 「POPWAVE」はいままでのKAIKOOでいちばん規模が大きかったから、フェスとして成功するのかどうか当日まで出演者もスタッフもみんなわからなかったと思う。そういう緊張感があった。なんせ1万人もの規模だからね。「POPWAVE」の前にDOMMUNEに出て、オレはいままでよりも多くの人たちにKAIKOOのことを知ってもらうために、「POPWAVE」の出演者の曲を3時間セットでやった。あのオールミックスを晴海のイメージにつなげたかった。
坂井田裕紀 : それと、KAIKOOの1日目はklockさんの命日だったんですよ。だから、イベントの初日一番最初にklockさんのミックスCDをかけてKAIKOOがスタートして、2日目の最後はクラムボンさんが流してくれたNUJABESさんの曲で終わった。終わったときに泣いてる人を何人も見たし、そのことは強く印象に残ってる。不思議な感じがしました。
BAKU : 自分のあとが石野卓球さんのDJだった。以前からフジロックとかでライヴを観たことあったけど、はじめて握手をかわすことができて、DJからDJへ受け渡しが無事できてとても嬉しかったね。2日目はオレはHYBRID DHARMA BANDとして出たけど、そのあとのクラムボン×BOSSくん(ILL-BOSSTINO)のライヴはひとつの頂点だったと思う。
高松優 : 渋さ知らズの桜吹雪は奇跡でした! あと僕は(バンドもやっているので)toeのライヴをライバル心バリバリで観てましたね。なによりも「POPWAVE」をやって良かったのは、KAIKOOに出たいと言ってくれるバンドが増えたことと同時に、普段関わってくれているバンドにも出てもらいたいと思えたことだね。
BAKU : いままでのKAIKOOはこのフェスをやるためにやってきたんじゃないんだろうか? それぐらいオレの中では、完璧で最高の2日間だった。あと、シンハービールをたくさん飲めてオレは幸せでした(笑)。これからもっと多くの人たちに情報だけじゃなくって、生の自らの肉体であの光景と音たちを体感してもらいたいです

POPGROUP Recordings
Official MIXCD
POPMIX Vol.1
Mixed by DJ KEN-ONE
CD ¥1,050

環ROY / BREAK BOY
CD ¥2,600

DJ BAKU HYBRID
DHARMA BAND
D.E.F
CD ¥2,800

FIRST SEED / FIRST SEED
CD ¥2,000

KMC / 東京WALKING
CD ¥2,000