〈KAIKOO POPWAVE FESTIVAL'12〉はこれまでで最大規模のKAIKOOで、自分としては一世一代の大勝負というつもりで臨みました。結果的に、お客さんはすごく盛り上がってくれたし、出演者のパフォーマンスも素晴らしかったので、そこには満足しています。ただ、主催の自分としては、もう少しできたと思うところもありました。はじめての試みとして、海外のアーティストやバンドを招聘したんですけど、それには僕なりの理由と意図がありました。例えば、envyやtoeといったいわゆるポスト・ロックといわれるバンドとノー・エイジのようなLAのインディ・ロック・バンド、BAKUとこのKAIKOOで12年ぶりに競演したターンテーブリストのQ・バート+D・スタイルズ、志人とドーズワンといったアーティストのライヴを同じ目線で観て、聴いて、何かを感じて欲しかったんです。一部では、いまの日本の音楽は、海外との接点を失って閉鎖的になっているとも言われてもいますけど、海外の音楽に引けを取らない素晴らしい音楽をやっているアーティストが日本にはたくさんいるし、彼らと海外のアーティストの間にはたしかに同時代性があるんです。実際、envyやtoe、BAKU、志人をはじめとして、KAIKOOには海外の音楽ファンから評価されて、海外でライヴもしているDJやバンドが何組も出演しています。そういった同時代性や、海外の音楽と日本の音楽を同じ目線で聴く感覚を、とくに10代や20代前半の若い音楽ファンに感じて欲しかったんです。もしかしたらその部分をもう少し上手く伝える方法があったかなというのが、終わったあとに考えたことです。それは今後の課題だと思っています。僕は若いころに、ビースティ・ボーイズの〈Grand Royal〉や、DJ シャドウやDJ クラッシュをリリースしていたイギリスの〈Mo'Wax〉というインディ・レーベルの活動やアティチュードにものすごく影響を受けて、それが〈POPGROUP〉を立ち上げるきっかけにもなりました。彼らは、有名無名問わず、ジャンルや人種や国籍にもこだわらず、才能のあるアーティストや良い音楽をサポートするピュアな精神がありました。〈POPGROUP〉も気づいたら7年目になりますけど、原点を忘れずに続けることが大事だなって思いますね。11月4日のKAIKOOは大阪のアメ村のクラブやライヴハウス10会場同時開催でやります。箱の人たちと打ち合わせをしていても、次々と刺激的なアイディアが出てくるので、わくわくしています。それこそ有名無名関係なしに、箱が推薦する地元のアーティストもたくさん出ます。きっと新しい音楽との出会いがあると思うので、ぜひ多くの人に遊びに来て欲しいですね。(談)

インタビュー/文・構成:二木信

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